安心して走れるまで 5.ガソリン漏出、白煙もうもう


ハンドルカバーを装着し幸せな気分で乗り始めた3分後 信号待ちでふと下を見るともうもうと白煙が上がっている。
あわててエンジンを切る。

ガソリンがぼたぼた滴ってマフラーにかかり煙を上げている。
燃料コックをオフにするとしたたりは止まった。

天国から地獄へ。

さすがに発煙中の写真は撮れなかった。燃えなくてよかった。

家まで3.6キロ。
自転車モード活躍の舞台は整った。
途中の写真はない。それどころではない。

バイクをこぎこぎ走っていると向こうから歩いてくる高校生くらいの兄ちゃん二人組が「こいだらエンジンかかるやつちゃうん!あれこいだらエンジンかかるやつちゃうん!」と興奮気味に声を上げていた。
かかるけど炎上するかもしれない。
とりあえずニヤリとしてみせておいた。

クライマックスシーンは市内一の大スクランブル交差点。
歩車分離。自転車は歩行者信号に従わねばならない。
だがこのヴォーグは原動機付自転車。車両信号に従わねばならない。

大勢の歩行者と自転車が信号待ちをする中ペダルでこぎ出すこの車両。
ものすごい違和感。脱法気分。図らずも奇行に走ってしまった。

家路はどこかで線路を越えねばならず、一番楽なエレベータでのルートを目指したらバイク禁止だった。
写真撮ってたらおばさまが「何かありますの?」と話しかけてきた。
バイクなので通れない旨を説明し、バイクをこいで去る姿に「まあ!」と良い反応を下さった。
日が暮れたので無灯火で走るわけにもいかず、途中から押して帰った。
疲れた。

自転車モードは、押すよりも若干速いが押すよりもだいぶ疲れるという知見を得た。

翌日。昨日の盛大なガソリン漏れを対処すべく対峙する。
漏れの勢いからキャブレターのフロート不良と見当をつけた。
フロートにガソリンが入り込んで沈んでしまいガソリンの供給が止まらなくなるというよくある重大症状らしい。
溶着でふさごうか、フロート作っちゃおうか、ポリプロピレンの比重ってどれくらい?とかさんざん考えてようやく駐輪場に臨んだ。

意を決してキャブレターを覗き込む。
あれ?
ガソリンのホース抜けかかってね?

ちょんと押すとホースがとれた。
これかー!!

いろいろ考えすぎて損した。

キャブレター側の針金を締め付けておこうとつまんだら、ポロリととれた
切れてる。これのせいか。

0.28mmの針金ではホースの締結には細すぎるという知見を得た
元の太い針金で締め直しておく。

以降、再発はしていない。
気になってたキャブレターのフロートチャンバーからの漏れもまだない。

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