とりあえずどぎたないキャブレターをオーバーホールすることにした。
ネット上に「ヴォーグのキャブレターの外し方」みたいな親切な情報が見当たらないので手探りの作業になる。
キャブレターを外すには右側からアクセスする。
となると右側のフットボードを外さねばならない。
となると座席下の工具入れのふたを取らねばならない。
初めて外す。
きたないキャブレターと対面。
どっから手を付けていいかわからない。
とりあえずエンジンとつながってる部分のボルトを緩める。
アクセルワイヤーを外す。
左側から燃料パイプを外す。
このヴォーグは燃料が空だったからいいけど燃料が入ってるときは先に抜かねばなるまい。
関係ないけど燃料フィルターが勝手に抜けた。
エアクリーナーボックス接合部のねじを緩めてボックスを引っ張ると抜けた。
ボックスはただの箱でエアクリーナはキャブにくっついてる。
この状態ならキャブをわしづかみでさわれるようになる。
ワイヤー類をよけておく。
ぐりぐり引っ張るとキャブが抜けてくる。
抜ききる前にエンジン側をパーツクリーナーできれいにしておいた。
なんかピカピカしてる。
キャブレターがとれた。やったぜ
合理的な手順をまとめると次の通り:
1.エアクリーナーボックス接合部のねじを緩めてボックスをひっこぬく
2.アクセル/チョークワイヤーを外してよけておく
3.インマニ接合部のボルトを緩める
4.キャブをひっこぬく
燃料が入ってる場合は燃料コックをOFFにして燃料供給を切って、キャブのドレンボルトを外すとかしてキャブ内の燃料を抜く必要があるはず。
そのうちそんな場面に直面するのかなあ。
組みなおすときに参照できるように写真を撮っておいた。
エンジンのインテークマニホールドにゴミが入らないようにペーパータオルを突っ込んでおく。
ペーパータオルしかよさげなものが無かった。
けば立つ紙だとほこりが出てエンジンに入っちゃうのでよくないと思う。
なんか結束バンドでフロートチャンバーを増し締めしてある。
燃料漏れの定番箇所らしいのでちょっと不安になる。
屋外でできるだけきれいにしておくことにする。
まずはエアクリーナを外す。
樹脂製のツメが1本折れてるようだが機能的には問題なさそう。
アクセルワイヤーがつながってたところの樹脂製部品を外す。
スロットルバルブが出てきた。
フロートチャンバーを縛ってた結束バンドが切れた。
どのみち外すけど。
アイドルストップスクリューの回転回数を一応覚えておく。
1回転と1/4回転と1/8回転くらいだった。
樹脂部品を外したので盛大にパーツクリーナーを吹く。
どんどんきれいになってゆく。
調子に乗ってどんどんばらす。
フロートチャンバーを留めている金具を外す。
ヴォーグ界隈で有名らしいくし刺しフロートがお目見えする。
ちょこっとガソリンが残ってる。
からっからに乾いた状態で留置されてたわけではなかった模様。
フロートチャンバーのガスケットはちょっと頼りない。
ここからガソリンが漏れる例がよくあるらしいので神経質になる。
くし刺しフロート。
ニードルになんかこびりついてる。
ニードル受け部分。
ガソリンがキャブに十分あるときはフロートが浮いてここにニードルが刺さってガソリンの供給を止めるらしい。
ドレンボルトを外す。
ストレーナが出てきたがへにゃへにゃしてる。
フロートチャンバー上部のなんかわかんない小さいねじ。
なんだろう?
アイドルストップスクリューとメインジェットを外す。
メインとか言いながらサブはない模様。
知らない間にガスケットを1個落としてた。あぶないあぶない。
インマニ接合部のガスケットだった。
フロートチャンバーのガスケットも外す。
パーツクリーナーでシューシュー吹いて、あとは部屋に持ち帰る。
外側はどぎたなかったが内部状態は悪くない。キャブクリーナーは要らなさそう。
部屋に持ち帰って清掃タイム。
スロットルバルブをばらす。バネが厄介だけど何とか外れた。
樹脂製のパッキンのようなものが付いていた。
ゴミかと思った。
ニードルがこころもちゆがんでる。
これはヤバいのか?と思ったらニードルじゃなくてスロットルバルブを引っ張るだけの棒だった。
ホッとした。
エアクリーナーエレメントはまだ使えそうな気もする。
一応採寸しておく。
油と埃でぎっとぎとなエアクリーナボックスを中性洗剤でごしごしする。
が、洗剤くらいじゃ太刀打ちできない。ドライバで粘着物をこそげ落とす。
吸気口が抜けた。
樹脂製部品を全部中性洗剤できれいにした。
ガスケットも採寸。
アストロプロダクツでガスケットシートを買ってきた。
1mm厚と0.5mm厚。
100均で瞬間接着剤と燃料ホース結束用の針金。
2りんかんで原付用のエアクリーナーエレメントを買って切って使おうと思ったけど明らかに目が細かい。
100均で似たような目のスポンジ買ってきた。
エアクリにスポンジ使う時はちぎれるような脆いやつはご法度らしい。これは大丈夫そう。
黒い目の粗い部分をあてにしてたら、目が粗すぎた。
白いほうでちょうどよい。
カッターでスポンジを切る。
サンドイッチ作ってるような気分になってきた。
マジックで外径をなぞってはさみで切る。
エアクリエレメントできた。ちょっと分厚いけどいいや。
エアクリ内部の金網の錆はごしごしするとヤバそうなのでパーツクリーナーに浸しておく。
ほていのやきとりの空き缶に穴をあけたプリングルスの蓋をのせて、パーツクリーナーが散乱しないようにした。かしこい。
くし刺しフロート。
この内部にガソリンが侵入してガソリン供給が止まらなくなってキャブからだだもれになる事案が大変多いらしい。
瞬間接着剤でニードルの根元を埋めるのが効果的らしいので実施しておく。
フロートチャンバー内にガソリンが溜まるとフロートが浮上、上部の弁にニードルが刺さってガソリン供給が停止する。
実際に見てみるとなるほどな、と思う。
そのフロートチャンバーの上下を密着させるガスケットを製作する。
買うと高いらしいし、そもそも売ってるんだろうか?
1mm厚のガスケットシートを切って真ん中にビスを生やす。
大まかに形を出したらドリルに付けて回しながらやすりで削る。
かしこい。
ここのガスケットは外径はわりとどうでもいいので、先に内径をちゃんとする。
現物をマジックでなぞってカッターで切る。
ガスケットシートは固い紙みたいなもので、錆びたカッターでは大変苦労した。
なぞった線では小さ目の穴になるので、サンドペーパーでひたすら削って穴を広げる。
できた。ぴったり。
インマニ接合部のガスケットも作る。
0.5mm厚で小さいから楽。
組み立てに入る。
エアクリーナーを組む。
チョークの仕組みを理解する
通常状態では空気吸入口が全開で、
チョークを引くと空気吸入口が閉じる。
空気が少ない分燃料が濃くなる仕組み。
なるほどな。
アクセルの仕組みを理解する。
アクセルを閉じてるとスロット部バルブが下がる。
アクセルをひねるとスロットルバルブが上がる。
下がってるときはエンジンへの燃料流入口がふさがる。
上がってるときは燃料流入口が開く。
でもアクセル戻した時全部閉じちゃうと燃料が来なくてエンジンが止まる。
それは困るので閉じないように引っかかりを設けるのがこのアイドルストップスクリュー。
アクセル全閉でも隙間が残ってアイドリングできるという仕組み。
なるほどな。
先っちょがテーパーになってるのでネジの回し具合で隙間を調節できる。
メインジェット。
燃料噴射の度合いを決めるやつ。
横の穴からガソリンが入って先端の穴から出るんだろな。
穴の大きさで燃料の出具合が決まると。
なるほどな。
この締め付けが緩いと構造上ガソリンが漏れるはず。しっかり締めておく。
アクセルを組む。
バネが厄介だけどばらすときよりは楽かな。
樹脂部品なのでシリコングリスを塗っといた。
正しい対処なのかは知らん。
フロートチャンバーを組む。
自作ガスケットが日の目を見る。もう夜だが。
この金具一つで蓋を押さえつけてるのはなんかやっぱり頼りないなあ。
ドレンボルトをつける。
これを外すとガソリンタンクの全内容を抜けることになる。
なるほどな。
だからしっかり締め込もう。
ボルトの底にはガジガジになったなにかがこびりついていた。
ここだけはキャブクリーナーが欲しくなるところだが、パーツクリーナーに浸してスチールウールで磨いたらピカピカになった。
ストレーナーは掃除すると破壊しそうな繊細さだったのでそっとしといた。
完成。やったぜ。
燃料フィルターを忘れてた。
なんかきたない。汎用品売ってるみたいだから付け替えも考えよう。
キャブレターを装着。
きっちり奥までは差し込めない構造。ちょっとだけ焦った。
フロート上下動の妨げにならないよう、垂直になる角度で固定。
エアクリボックスを装着。
水が下から排出されやすいように垂直に気を配って固定。
アクセルワイヤー、チョークワイヤーを接続。
燃料ホースを接続。
ホースを縛る針金は0.28mmでは細すぎる模様。
食い込み過ぎるとホースが痛みそう。
注意:実際に後で大変なことになる。もっと太いものを使うべし
勝手に抜けた燃料フィルターの前のホースも結束しなおした。
キャブレター装着完了。やったぜ。
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