ホーン修復

ホーンが鳴らない。
クラクションと呼ぶのか警笛と書くべきか悩むところだけど、"バイク ホーン"での検索結果が1桁違う多さなのでホーンと呼称する。

そのホーンが鳴らない。ホーンから生えてる接続端子がぐらぐらしていて、そこをつつくと鳴ったり鳴らなかったりする。
接触が悪いのだろう。修復を試みる。

10mmのレンチで車体に固定するボルトを外せる。


"TRANSVAL TR8 MADE IN FRANCE"の刻印がある。

ステーと本体はネジを外すことで分離できる。
結論から言うと分離する必要はない。


一応端子を磨いておく。

分解しようと試みるがネジ的なものが見当たらない。
唯一、ホーン前面中心部に六角で回すイモネジがある。

結論から言うと、これは分解を意図して回すべきものではない。

このイモネジは2mmの六角レンチで外れる。

ネジ貫入部の樹脂が折れた。
そればかりか、本体の分解に何も関与しないことが分かった。
このイモネジは鳴動具合を調整するためのものらしい。

しようがないので本体の結合部と思しきところにカッターを入れる。

らちが明かないのでノコギリで回りをぐるりと切る。

開いた。
この措置で正解の模様。

この順番で入っていた。

振動部。
ぐらついていた電力入力端子のはんだ部分で電線が切れている。
これが動作不良の原因。

中心部のイモネジを留める樹脂部品が2か所折れてしまった。

ネジ径は3㎜の模様。代替品を探す。

イモネジが留めていた振動板2枚はスペーサーを挟んで厚さ5㎜くらい。穴径は6㎜。

樹脂部品の代替はそうそう都合よく売ってなかったので、ネジとナットで代用することにした。

超低頭小ねじM6x12mmでちょうど留まった。
管用の薄いナットも買ってみたがネジのピッチが違うのでお勧めできない。

組みなおしてビニールテープで本体を仮止め。
鳴らしてみたがスカスカの弱い音しか鳴らない。
中心部をぎゅっと押すと音が変わる。

もともとついていた中心部のイモネジは振動部の電磁石に引かれる部材で、ねじを回して電磁石との距離を微調整して音質を最適化するためのものらしいと気づいた。

ともあれ切れた電線を再ハンダする。
切れてないほうもハンダを盛っておく。

端子は曲げて固定してあるだけなのでぐらつく。
端子がぐらついて線が切れたのが不具合の原因なので、100均の2液接着剤で根元を固定した。
この処置は不具合が出ていないホーンでも予防的に施しておいたほうがいいと思う。

ついでに折れてしまったイモネジ貫入樹脂部品も接着で修復を試みる。
頼りないけどくっつくといいなあ。

くっついてもすぐ取れた。諦めよう。

ここまでの作業の結果。鳴ることは鳴る。スカスカだけど。
中心のネジを指で押すと音質が改善される。


本来の構成では中心のイモネジの締め込み具合で電磁石との距離を調整して音質を最適にする仕組みのようだが、その代わりにワッシャーを噛ませて電磁石と代替ネジとの距離を縮める。

まともな音になった。
ワッシャー2枚だとかえって弱い音になる。この厚さのワッシャーなら1枚が最適だった。

コメント