ハンドルを交換して元に戻した

いつも行くバイク屋のおっちゃん、ヴォーグを見るたびハンドルのゆがみが気になる模様。


エンジン始動のたびにハンドルをぐっと引っ張るように力をこめるせいか、左の鉛直方向が内側にゆがむ。
おっちゃんに指摘されて「すぐなおるんすよほら」とくねっと戻すとおっちゃんの顔が青ざめる。「そらあかんで」

うん、うすうすあかんような気はしてた。

ハンドル入手


ある日そのバイク屋に寄るとおっちゃんが、ハンドルあげるから付けえな、とその辺に落ちてた出所不明のハンドルをくれた。

径は一般的な22mm。ヴォーグも同じ。


でもだいぶオーバーサイズ。


ちょん切って溶接したるわ、というのでお任せする。


後日、立ち上がってる部分の寸を詰めてパイプを通して仮接続、角度を決定。
固定したら連絡くれるとのことで作業続行をお願いする。


そして連絡を頂いた。
なんか溶接じゃなくてねじ止めされてる。「これでいこ」とおっちゃん。
確かにガチガチに留まってるようだけどちょっと不安になる。
でもタダでやってくれたんでありがたく頂戴する。

ハンドル交換


ハンドルを持ち帰って自力で交換を試みる。

まずは既設ハンドルの取り外し。
右側。六角ボルトを緩めるとグリップごと抜ける。らくちん。

左側。六角ボルトの頭はウインカースイッチの裏に隠れてるのでスイッチを外す。


左側グリップは接着されている。
隙間からパーツクリーナーを吹き込む。


そこに金属定規を差し込んでさらにパーツクリーナー。
金属定規の丸い頭が力ずくで差し込むのにちょうどいい感じ。


グリップの半分くらいまで差し込んでグネグネひねると降伏したかのようにグリップが回って抜けた。


そのままではケーブル類がつっかえて左右のグリップが外せない。
結局ハンドルの固定を外してからグリップを抜くことになる。


取り外したオリジナルと思しきハンドル。
確かにかなりいびつだ。


新ハンドルとの比較。
でかいよ新ハンドル。


新ハンドルにグリップを移設。
左グリップはパーツクリーナーが揮発したせいかまた粘着力を取り戻していて差し込んだら抜けなくなった。


ブレーキランプのスイッチの端子が切れた、と思ったら抜けただけだった。
切れる危険は大いにあるので抜いてから作業するほうがよいと思う。


ハンドル交換完了。


バイク屋のおっちゃんに見せに行った。安堵の様子。
ヘルメットもらった。

この店でまだ一度もお金を払ったことがない。
そればかりか毎度コーヒーをご馳走してくれる。とても申し訳ない。
今度ばかりはお礼をしたい、のだが……。


なんかやはりハンドルがでかい。でかすぎる。
腕を広げて前傾姿勢になってしまう。とても疲れる。
背筋を立てて乗りたいのだ。これはなんか違う……。

しばらく乗ってれば慣れるかな、とも思ったのだが切断してねじ止めで固定した部分がキコキコ動いてしまう。
これはまずい。衝撃でぼきりと逝きそうだ。
おっちゃんには悪いが前のハンドルの方がまだ安全だ。

というわけで前のハンドルに戻すことにした。

元のハンドルに戻す

納車時から手つかずだった元のハンドル、せっかくなので手を加えていく。


左側ばかりゆがむのは曲がってるところのパイプがつぶれ気味に変形していることが原因のようだ。
やや扁平になっているので曲がりやすい模様。


形を整えつつ、扁平になってるところを万力で逆に潰して円形に戻す。


せっかくなので錆も落とす。
左は施工前、右が施工後。

薄い錆は100均の錆とりクリームで十分落ちるが、きつい錆はスチールウールでがりがり落としてコンパウンドで磨く。


だいぶマシになってきた。

でもまだひずんでる。
手で曲げるには限界を感じた。


屋外でゴムハンマーでぶっ叩いてひずみを矯正。


だいたいオッケー。
代償に手の皮がむけた。


なぜか存在する正常なハンドルと比較。だいたいおんなじ。

修正前と修正後。よしよし。


ちょっとピカピカになってオリジナルハンドルに回帰。
扁平を正したせいかたやすく曲がる様子はなくなった。

けど脆くなってることは間違いないので補強を考えよう。

補強編へ続く。

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