目次
概略
長い話になるので概略を先にまとめる。
- 鍵の調子が悪いのでバラした
- 押しばねが一つ粉砕されてた
- 押しばねを作って復元したが合鍵が効かない
- 組み直してたら鍵が折れた
- シリンダーを1本抜いて合鍵でも使えるように解決
- 折れた鍵を板金半田で復元
- ついでに抜いてたシリンダーも元に戻して合鍵を調整
- 完全復元できたけど実用したら復元した鍵が折れた
鍵の調子が悪い
盗難防止錠、アンチセフトバーと呼ばれる錠前の調子が悪い。
解錠時に引っかかる。なかなか開かない。
パーツクリーナーで掃除したくらいでは改善しない。
バラしてみよう。
以前に2台目の鍵をなんとかした際に錠をバラして組み替えた経験がある。慎重を要するけどあまり不安は無い作業だ。
分解
錠のシリンダー部分の蓋は精密ドライバーでコンコンすればずれて外せる。
中の押しばねが飛び出す可能性が高いので、ビニール袋の中で作業を進める。
前に飛ばして1時間探す羽目になった。
2本目の押しばねが変わり果てた状態で出てきた。
押しばねを失ったシリンダーが位置を定められなくなっていて、鍵を回しても位置不定になって解錠できたりできなかったりしてたわけだ。
内蔵されている5つのシリンダー。
5種類の長さ。差し込まれた鍵の凸凹によってツライチになると鍵が回る。
たぶんどの錠でも5種類で、鍵を失った錠でも組み変えれば他の鍵で開くようになる。
押しばね調達
失われた押しばねの代替品を探す。
経1.5mm、長さ6.5mm。そんな都合良いバネはホームセンターには売ってなかった。
ガスの切れた100円ライター。
着火部が小さなバネになっている。これを使ってどうにかする。
組み立て
あとは組み戻すだけだ。
ばねを飛ばさないように精密ドライバーで抑え込みながら金槌でコンコン蓋をはめる。
コンコンやってると職人になったような気分を味わえる。
鍵、折れる
首尾よく錠も組み上がり、気を良くしてちょっとだけ曲がっている鍵を万力でまっすぐに治そうとしたら、鍵が折れた。
そして悪い事に、合鍵ではなかなか回らない。稀に回る程度の可用性。バネを入れる前はスルスル回ってたのに……。
前より状況が悪くなってしまった。どうしよう。
解決 1
再び分解して検分する。
どうも一番短いシリンダーが引っかかるようだ。
除去してしまえば合鍵でもするっする回る。
これで安心して運用できる。
せっかく作った押しばねが無用になってしまった。
なんかくやしい。
そして折れたオリジナルキーがせつない……。
鍵、復元
折れた鍵をうじうじ想い続けていると、板金用ハンダでくっつくんじゃね?とひらめいた。
やってみよう。
完全復元
こうなるとシリンダーをひとつ抜いたことがなんかモヤモヤしてきた。
完全復元を目指す。
シリンダー再装填。
オリジナルキーでは回る。合鍵では回らなくなった。
合鍵の方を調整しよう。
ばねに押されて引っかかるなら鍵の方からもっと押すようにすればよいはず。
鍵山の当該位置に板金用ハンダを盛ってヤスリで調整する。
ほんとに微妙な量を削ってゆきながら回りを確認する。
鍵パターン丸出しの写真を載せてるけど、ちょっとやそっとの精度では合鍵の作成はできないことをこの作業で思い知ったので問題ない。
鍵、また折れる
板金用ハンダでは実用強度は出ないようだ。
合鍵運用で問題ないけど惜しかったなあ。
まとめ&TIPS
- 盗難防止錠を分解するときはばねが飛ぶので袋の中での作業を推奨
- 錠の押しばねは100円ライターの着火部で製作可能
- 板金用ハンダでは折れた鍵を実用強度で補修できない
- 盗難防止錠の合鍵は作っておいたほうがよい。オリジナルキーはかなり脆い
- 鍵の山の凹凸はほんとに微細
- 鍵の回りはシリンダーブロックの出っ張りの位置にも左右される。四角い出っ張りを前後にコンコン叩けば調整できる
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